季節の変わり目の体調不良やメンタル不調…それ「気象病」かも。要因や対策は?

ライフスタイルヘルスケア
2022/09/08

気候や天気の変化で起こる気象病。頭痛、めまい、眠気、動悸など体調不良に加えて、メンタルにも影響することがあります。そんなツライ気象病の要因と対処法を知って、乗り越えていきましょう。

「気象病」の要因は2つ

気象病の多くが「自律神経のバランスが悪いこと」と関係しています。

その要因は2つあり、1つは「気圧の変化を感じるセンサーがある“内耳”との関係」。内耳には気圧の変化を感じるセンサーがあるといわれています。そこで感知した刺激を脳に伝えたとき、脳にある自律神経のバランスを司る部分が過敏に反応してしまうことで自律神経のバランスが崩れ、そのバランスがうまく調整できなかったときに気象病を起こすと考えられています。

もう1つは「女性ホルモンやストレスとの関係」です。女性ホルモンのバランスが乱れているときや過度なストレスを感じているときは、通常よりも気圧や温度・湿度など気象の変化に敏感になるため、自律神経のバランスが崩れやすく、気象病が起こりやすくなります。

メンタル不調も気象病かも

気象病は頭痛やめまいだけではなく、メンタルにも影響することがわかっています。これも、自律神経のバランスが関係し、自律神経の「交感神経」と「副交感神経」のバランスが乱れることによって起こります。リラックスに働く「副交感神経」が過剰に働くと気分の落ち込みやだるさ、眠気を引き起こし、逆に「交感神経」の方が強くなりすぎるとイライラしたり、興奮したり、動悸や汗が出るなどの症状が現れます。

気象病は症状に合わせた対処を

頭痛やめまい、動悸などの症状を感じているときは、まずはよく寝ること。眠っている間に「副交感神経」が優位になり、自律神経の乱れも整えてくれます。また、 お風呂にゆっくり入って身体を温めたり、好きな音楽や映画に触れてリラックスしたりするなど、「副交感神経」の働きを促す行動がおすすめです。

一方で、「副交感神経」が過剰に働き、気分の落ち込みや眠気の症状を感じているときは、思い切って外に出ると◎。他に病気やつらい症状がない場合は、外に出ることで「交感神経」が優位に働き、家にいるときよりも気分が晴れるケースが多くあります。

無理せず薬を服用するという選択も

第一三共ヘルスケア株式会社が実施した気象病による頭痛に関する調査では、「全国平均で41.6%が薬を我慢する傾向にある」ことがわかりました。でも、痛みを感じたときに薬を飲むことは悪いことではないそう。気象による頭痛症状がある場合、さらなるストレスをため込みかねません。無理せず上手に薬を服用するのも一つの選択です。

薬を服用するときは、少しでも痛みを感じたら早めに鎮痛薬を服用することがおすすめ。鎮痛薬は、出てしまった痛みに対してではなく、痛みの元となる原因物質をこれ以上生み出さなくするためのもの。痛みの原因物質が体内で増えすぎた後では、鎮痛薬でも抑えきれない場合があるのです。

用法・用量を守って短期間の服用であれば、体が鎮痛薬に慣れて効かなくなるということはありません。なるべく空腹時を避けて服用することは大切ですが、しっかりごはんを食べなくても、クッキーや飴などを食べておく、多めに水を飲んでおくなどでも大丈夫です。

休息や薬で気象病を上手に乗り越えよう

体調が良くなかったり、気分の変化が激しかったり…いつもと何か違うと感じたら、それは気象病かもしれません。どのような症状なのかを観察し、寝て休むべきなのか、気分転換に出かけてみるのか、薬に頼ってみるのか、適切な対処をして、ツライ気象病を乗り越えていきましょう。

参考:第一三共ヘルスケア「気象病に関する実態調査」

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/02_zutsu/index3.html#d04