BOOK『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』|自分に戻れる本#7
本を読んでいる瞬間は、自分と目の前にある物語の世界だけ。どんな場所でも数分でも、“自分に戻る”時間をくれる、そんな素敵な本を紹介するシリーズ。
人生を好転させるヒントが詰まった一冊
コロナ禍や戦争、少し前までは考えられなかったような世界を生きている私たち。先行きがはっきりしない時代、息苦しさを感じている人も多いのではないでしょうか。
そんな生きづらい時代に、マナーを通じて幸せに生きる術を伝え続ける77歳の現役マナー講師・岩下宣子さん。半世紀にわたる講師歴の中から、「本当に大切なたったひとつのこと」をまとめた『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』を刊行。
新卒で就職した会社でマナーを教わり、3年後には寿退社。もともとマナーを仕事にしていたわけではなく、日常的にマナーを意識するようなセレブとは程遠い生活をしていたという岩下さん。30歳の時にデパートの作法教室に3日間通ったことをきっかけに、マナーを仕事にする道が始まったと言います。
マナーを学ぶことでかろやかな人づきあい、本物の思いやり、雰囲気あるたたずまい、感じのいい所作…を身に付け、相手を思いやる心を形として表すことができる。“マナー”というものの捉え方を根底から覆してくれる一冊です。
「させていただく」は最上の敬語 → ×
同じように、謙遜のニュアンスで多用されるようになった「させていただく」。でもこの言葉は、自分の利益になることをする際に、相手に許可を得るために使う言葉です。たとえば食事に行ったときに、「もう一杯飲ませていただきます」と言うと、相手に支払ってもらうつもりと思われてしまう可能性もあり、むしろ失礼になります。もし時間が気になってこういった表現を使っているのなら、「もう一杯飲もうと思いますが、お時間大丈夫ですか?」と聞くほうがいいでしょう。
ごちそうになるときはいちばん安いメニューにする → ×
「今日は好きなものを食べてね」と言われたとき、いちばん安いものを選ぶのがマナーと思っている人がいます。でも、相手はごちそうしたいと思って言っているので、無用な遠慮によってその気持ちを無下にしてしまい、むしろマナー違反に。本当に好きなものを選ぶか、どうしても遠慮してしまうといった場合は、「松竹梅」では「竹」にあたるメニューを選ぶと、相手をがっかりさせずにすみます。
書籍情報
著者:岩下宜子/出版年月日:2023年3月16日/定価:1540円(税込)