沙央くらまインタビュー|未来は自分次第。ノールールなスタイル&マインドを深掘り!
宝塚歌劇団専科の男役スターとして活躍後、現在は“多彩派”女優として活動の場を広げている沙央くらまさん。透き通るような美しさ、そしてオープンマインドでハッピーオーラ溢れる姿はまさに憧れ!プライベートでは第一子の子育て中ということですが、どのような生活を送っているのか伺ってみました。
ポジティブな自分を自分でつくる。こうなったら嬉しい、そんなイメージを持つこと
――仕事にプライベートにとても充実した様子がうかがえるくらまさんですが、平均的な1日のスケジュールを教えてください。
「今、子どもが生まれて環境がガラリと変わった人生をスタートしています。8時頃に起きて、まずは太陽の光を入れます。次に子どもやペットの朝ごはん、それから自分。白湯か野菜ジュースを飲みますね。朝起きていきなり自分の体に「朝だよ!」と信号を出すのではなく、徐々に慣らしていくように過ごしています。そしてお仕事へ。お昼は、テラスに出たりして、できるだけ日の光を浴びる場所でランチをしたいですね。宝塚時代って、朝に楽屋入りをしたらずっと室内にいる生活だったので、卒業してからは太陽の光を浴びたり自然の空気を体の中に取り組むようにしているんです。そういうのってすごく大切だと感じています。あとは、自分が望むコトやモノをできるだけ取り入れながら過ごすようにしています。帰宅したら、自分が食べたいものを食べ、そして必ずお風呂に浸かって、22時~23時頃に寝ます。ゆっくりする時間をつくってから寝るというのは、自分の中のルーティンとして必ずしていることですね。」
――1日の流れを伺うと、ここが自分時間!と決めているというよりは仕事の合間などに時間を見つけて上手に活用されているように感じます。
「息を抜く瞬間というのはすごく大事だと思うので、意識して取り入れています。舞台のお仕事などがちがちに決められた時間の中で過ごす時もありますが、少し余白を見つけて一回深呼吸をしてワンクッション置くことで、結局パフォーマンスにも関わってくるんですよね。また、そういう時って新しいインスピレーションも浮かんできたりして。メリハリって大切だと実感します。」
――1日の中で、ワクワクしたり楽しみだったりする最もポジティブな時間はいつですか?
「ポジティブな時間とかネガティブな時間って考えたことがあまりないですね。宝塚時代って本当に過酷な時間が多くて…舞台で自分を追い込むことも多かったのですが、そこには何かしらの目標があるんですよね。お客様の笑顔が見たいとか。物事には二面性があって、例えば、今日の取材も楽しみな反面、久しぶりの取材でちゃんとできるかなあって不安もあったり。ただ、どんなことも自分の思考次第だと思っているので、不安だからこそその日に向けてエステやメンテナンスなどに行き事前の準備をし、現場の皆様が喜んでくれることを考えて挑むようにしています。特に、周りに喜んで頂けることをイメージしてなにかすることは自分の楽しみでもあります。1日の中でひとつでもそんな考え方ができると、私はそれですごくハッピーなんですよ。ポジティブな時間というのは自分で作っていきます。」
――周りもとてもポジティブになれそうですね。私もくらまさんのような考え方で日々を過ごしたいです!
「まずは楽しみをイメージすること。「こうなったらいいな、嬉しいな」というイメージを自分の中でつくって、それに向かって日々過ごすことが、毎日ポジティブでいることのカギになってくると思います。」
――そんな中でも、ポジティブに変えづらいことはありますか?
「自分の仲間たちの悲しみや辛さがメディアを通じて伝わってきたときですね。ミュージカルや舞台の仲間たちが心の病気で休演したり、宝塚が新型コロナウイルスの影響で公演中止になったり。とても痛みが分かります。そういう悲しい循環が起きている時はネガティブな気持ちを感じてしまいます。でも、じゃあそんな気持ちをどう挽回するか、ということも考えたくて。起きてしまったことはどうしようもないですが、それでも未来は変えられます。自分が次の一歩をどう踏み出すかは自分次第なんです。」
仕事とプライベートをはっきり区切る。休みは本来の自分に立ち戻る場所へ
――仕事とプライベートを両立するための秘訣やコツがあれば教えてください。
「外にいる時間は仕事、お家にいる時間はプライベート。自分で自分を見たときに、スイッチが入っているな、今はオフだな、とわかるように見た目からつくっています。オンオフをしっかり区切ることが、両立の秘訣かなと思います。オフの日に外に出ていて油断しているときに、「沙央くらまさんですよね?」と突然声をかけて頂く事があるんです。そんな時にあーいまボーっとしていたなと反省することもあるので。なるべく外に出た瞬間から見られているという意識を半分持つように心がけています。そしてお仕事の日は、メイクや服装や行く場所や環境をイメージして、どんなコーディネートなら自分の気分が上がるかな、どんな自分でいたら周りの空気が上がるかなと考えています。お家にいる時間は唯一のプライベートな時間だと思っていて、その日の気分でルームウェアを決めて、今日はこういう生活をしようと思うようにしたり。あとはすっぴんでいるようにします。」
――お家時間が唯一のオフの時間ということですが、あえて外に出てリフレッシュすることもありますか?
「お休みがあるときはなるべく旅行するようにしています。情報がたくさん集まっている時代に、今の生活で凝り固まっている考え方を一度クリアにしたいからです。当たり前にしていることが実は職業病だったりすることもあって。例えば、結婚や出産発表をする前までは人目を気にして行動していたことを、公表後はもう大丈夫なはずなのに気にしてしまったりしているんですよ。なので、旅行へ行ったり、自然に触れたりして、人目を気にしない環境に自分を置くことによって、本来の自分に立ち戻るんです。原点はここにあるんだなと自分で気づくように。」
――本来の自分に戻るというのは、芸能の世界の方はより意識する必要がありそうですね。
「宝塚の時は男役の“沙央くらま”という自分がいて、それ以外が本名の自分だと思っていたのですが、“沙央くらま”が強すぎて本名の自分をどこに置いてきたんだろうと悩んだ時期もありましたね。卒業すると今度は、お仕事の時もプライベートも女性でいることで、“沙央くらま”として2つの生活を過ごしている感覚になる時があって…。これは芸能界にいることの難しい部分なんじゃないかなと思います。でも、休みの時に人間として戻れる場所をつくると、今あることに感謝できるようになるんですよ。人目があって窮屈だったり、世間にいろんなことを言われて考え過ぎちゃう方もいると思うんですけど、逆に、そこまで自分を見ていてくれて応援してくれている人たちがいるってありがたいなって。一度頭をクリアにすると、当たり前じゃないことに気づいて、ありがとうございますって思えるんですよ。その場にずっといることで麻痺してきちゃうことってあるから。自然の中に身を置いて、本来の自分と対話をする時間を持つことは、私の中で必ずしないといけないことです。」
メイクオフ、洗顔、保湿を徹底!遺伝子検査で美容の最短ルートを知る
――美容についてお聞かせください。どんなに忙しくても、これだけは欠かさない!という美容方法やアイテムを教えてください。
「宝塚時代からこれだけは、というのは、なるべくメイクオフをしてすっぴんの時間を長く取ることです。お仕事以外で外に出る日は、お化粧しない日もあります。宝塚の時は仕事用ですごい厚化粧をするので、お食事会の時なんかは「すっぴんで来てもいいよ」ということが結構あるんですよ。お肌を休めるって本当に大事です。あとは保湿!私がすごく乾燥肌で。だからこそ、自分でプロデュースしたスキンケアブランド「if nature(イフナチュール)」は、成分はもちろんテクスチャーまでとてもこだわってつくりました。20~30代だけでなく、60代にまで、保湿感やテクスチャーの調査をしましたよ。あと、フェイスパックもすごく好きで、3分でもいいから、すぐ取らなくちゃいけない状況でもとにかくつけちゃいます。if natureをコットンに含ませて顔にペタッとつけて家事をしたりも。メイクオフ、洗顔、保湿は宝塚時代からすごく気をつけていることですね。」
――最近ハマっている美容やオススメしたい美容があれば教えてください。
「先日、遺伝子検査をやったんですよ。三大栄養素と美容がわかるというもので、自分に合った食事や、自分の肌質などいろいろ知ることができました。調べてみたら、私は「活性酸素リスク」というリスクを持っていて、活性酸素の除去が苦手だということがわかって。酸化しやすいということは、ビタミンがどんどん失われちゃう。水分や油分で保湿をすることも大切だけれど、根本的な保湿のためにはレチノール系の成分が必要だと、カウンセリングで言われました。…あれ、if natureって抗酸化成分もバッチリ入っているなと。「私のプロデュースした化粧品、見てもらっていいですか!」って言っちゃったくらい(笑)。「完璧ですよ!」とカウンセラーさんもおっしゃっていました。私に必要なのはビタミン系とレチノール系だと分かったので、ビタミン系のパウダーや原液をif natureに混ぜて使ったりしています。あらゆる化粧品が溢れている中で、他人がオススメしていても、元の肌が違うんです。生まれ持った自分の得意なこと、そしてリスクを知ることで、美容も遠回りせずに済むんですよね。」
“ノールール”が私のルール。未来は自分で選択できます!
――このメディア「NOLULU(ノルル)」は、No ruleからきている造語です。沙央くらまさんが、世間の常識や規則に囚われず、“やらないと決めていること”を教えてください。
「宝塚にいた時はルールがすべて。カバンを持つ方法まで全部決まっていたんですよね。ただ、宝塚に入る前の小学校中学校はすごく自由で、髪の毛を染めてもいいくらいの学校だったんですよ。そんな環境から宝塚に入って、自由ってなんだろう?ということが常に私の人生のテーマになりました。宝塚を卒業して、今いろいろなことを自分でマネジメントしながら過ごしている中で、“ノールール”っていうのが私のルールになっています。いろんな人と接し、異なる考え方も取り入れて、自分の感覚やアンテナを常にめぐらせて、右へならえの思考にとらわれないようにしています。」
――ノールールがルールというのはかっこいいですね!
「でも、人間って感覚が騙される、鈍ることがあるんですよね。いろんな情報や感情に惑わされて。そうすると判断を誤ってしまうことも。そんな時に、絶対にブレることのない、自分が守るべき信念を持っていることが大事。私の信念は、こういう世の中だからこそ、私の周りの笑顔の循環。みんなが笑顔になれることをキーワードに物事を選んでいます。」
――なんとなく生きづらさを感じていたり、自分らしく過ごしたいとモヤモヤしている方へ、くらまさんならどのように声をかけますか?
「まずはそういう状況に気付いて、「話聞くよ」と声をかけるというよりは、話したいなと思った相手とあえてお互いの共通点や目的などを見つけて、2人で映画を見に行くとか、〇〇を食べに行くとか、何かを一緒に過ごす時間をつくって、色々な話ができるきっかけづくりに繋げていくようにしています。私は父を亡くしているのですが、亡くなったのが宝塚の公演の稽古中だったんです。辛くても稽古を続ける私に、「映画見に行かない?」と先輩がさりげなく誘ってくださって救われたことを今でもよく覚えています。いきなり声をかけると気負ってしまうこともあるので、自然に話せる雰囲気を作るようにしています。」
――最後に、読者へメッセージをお願いします。
「本当に情報の多い世の中で、何を選択したら良いかわからなくなることも多いと思います。でも未来は自分次第!宝塚時代、頭が凝り固まっている私を見て、「あやかちゃん(沙央くらまさんの本名)は、明日からマサイ族にもなれるんだよ!」と海外を駆け回っている弟が言ったんです。突拍子もない発言にも聞こえましたが、なんだかすごく腑に落ちて、そこから、未来は自分次第なんだと気付くことができました。だから、生きづらさを感じている方がいたら、なにごとも考え方次第だし、世界はもっともっと広いということ、自分の自由な場所や心が解放される場所を見つけてノールールをルールにして行動してみる勇気もこれから大切かもしれないよ!と伝えたいです。そして、そんな時間を楽しんで皆様と過ごしていきたいなと思います。」
沙央くらまさん プロフィール
2001年に宝塚歌劇団に入団。老若男女、幅広い役柄を見事に演じきる高い演技力と歌唱力を持った男役スターとして活躍。現在は、テレビ、映画、舞台、美容、ラジオMC等で“多彩派”女優として活動中。
沙央くらまさんプロデュース スキンケアコスメブランド「if nature(イフナチュール)」
“次世代レチノール”と呼ばれ、エイジングサインに効果的な「バクチオール」を配合したローションとクリームをラインナップ。植物由来のバクチールは敏感肌でも使えるエイジングケアとして注目され、さらに、美白、保湿、抗炎症作用をもたらす美容成分をバランス良く配合。香りやテクスチャーにもこだわった贅沢スキンケア。